●意外と多く見える人工衛星
宵の口や朝方に星空をながめていると、時々人工衛星を目にします。現在、地球の周りには8000個以上の人工衛星またはその残骸が回っています。暗い空ですと肉眼で見える人工衛星の数は数百個、双眼鏡を使うと千個ほどの衛星が観測できるといわれています(もちろん一度に見えるわけではありませんが)。
24時間以内に古川から見える明るい人工衛星の一覧
(Heavens-Above
http://www.heavens-above.com/より)
3.5等級より明るいもの
4.0等級より明るいもの
4.5等級より明るいもの
●宵の口と朝方が人工衛星の見える時間帯
人工衛星が見やすくなるというのは、、宵(または朝方に)の時間にその土地の上空(近く)を通過することです。人工衛星は、太陽の光を反射して光るので、地球の影に入りこむ真夜中は見えないのです。また、いくら上空を通過しても、昼間や空の薄暗い夕暮れ時は見えません。
ですから、人工衛星を見るチャンスは宵の口と朝方のそれぞれ2時間程度です。この時間帯に空の条件がよければ、数十分のうちに数個は目にすることができます。
●人工衛星の大物・国際宇宙ステーション・スペースシャトルをみよう
人工衛星の中で、最近話題となっているのが「国際宇宙ステーション(ISS)」です。
国際宇宙ステーション(ISS)の軌道(通り道)は、赤道に対して51°程傾いており、宮城県上空をもちろん通過します。また静止衛星と違って、通過する地点も時間とともに変わっていきますので、見ごろとなる時期と見えない時期があります。国際宇宙ステーション(ISS)の場合、2週間〜1ヶ月おきに、数日〜1週間程度の観望に適する時期がやってきます。
国際宇宙ステーション(ISS)は、1時間半で地球を一周します。もし空の真上を通過し、しかも地球の影に入らないような理想的な条件の場合、地平線から現れから再び沈んでいくまで約9分間見ることができます。しかし、たいていは空の低いところを通ったり、途中で影に入って見えなくなりますので、見える時間は数分です。
<国際宇宙ステーションの宮城県古川における予報・ Heavens-Above
http://www.heavens-above.com/>
◎使い方・みかた
上のリンクをクリックすると、以下のような表が出力されます
Date |
Mag |
Starts |
Max. Altitude |
Ends |
Time |
Alt. |
Az. |
Time |
Alt. |
Az. |
Time |
Alt. |
Az. |
15 Sep |
1.8 |
04:47:24 |
10 |
SSW |
04:50:09 |
34 |
SE |
04:52:55 |
10 |
ENE |
・・・・・・・・・・・・・ |
Dateは月日です。ここをクリックすると、その日時に見える人工衛星の星空での動きを図にして出力するページへリンクします。
Magは、最も明るくなるときの明るさ(等級)です。この数字が小さくなればなるほど、明るく見えます。
Startsは、見え始める時刻と方向です。地平線から出始める時刻の場合もありますが、地球の影から抜けて、かなり高い場所から見え始めることもあります。
また、このときの人工衛星の見える方向は、Alt.とAz.によって表されます。
Alt.はaltitude(地平高度)の略で、地平線からの高さを表します。この数字が高いほど、見やすくなります。
Az.はazimuth(方位角)で、北を基準として、東回りに測ります。北(0°)・北東
(45°)・東 (90°)・南東 (135°)・南 (180°)・南西 (225°)・西 (270°)・北西となります。
Max. Altitudeは、地平線からの高度が最も高くなる時刻です。
Endsは、地平線に沈むか地球の影に入り込んで見えなくなる時刻です。
また、ハッブル宇宙望遠鏡も、明るく見える人工衛星です。
Heavens-Above ・http://www.heavens-above.com/によるこれらの予報は、以下をクリックしてください。
< ハッブル宇宙望遠鏡
の宮城県大崎市古川における予報>
人口衛星の軌道はたびたび変更されます。どの人工衛星が、いつどこに見えるのかを知るには、インターネット等で最新の情報を得ることが必要です。
下記の人工衛星関係リンク集をご利用下さい。
●古川以外での人工衛星予報
☆Heavens-Above Main Page お住まいの場所の予報(時刻・方位・星図)を出力してくれます。
<利用法>
@ Edit your location details で、希望の経度・緯度を入力し、タイムゾーンをJST(日本標準時・9h)を選択して、SUBMIT。
ここで、ブックマークすると、その都度入力しなくてもすみます。
A 10 day predictions for special interest satellites から
人工衛星名を選ぶ、
B 観測可能な月日・時刻(みえはじめ・ピーク・終わり)と方向の一覧表を出力してくれます。
B 見たい月日・時刻をクリックすると、星図を出力してくれます。
●人工衛星は、どのように見えるか
飛行機はチカチカと点滅するのに対し、人工衛星は点滅しないので見分けがつきます。
また、地球の影に隠されるとき、すーっと暗くなって消えていくのも人工衛星の特徴です。
人工衛星の中でも大型のものは、時に惑星並の明るさに輝くものがあります。明るい人工衛星は約30個ありますが、その中でも特に見やすいのは、
☆国際宇宙ステーション・ISS(-1〜2等)
☆UARS(2〜3)
☆ハッブル宇宙望遠鏡(2〜3等)
☆熱帯降雨観測衛星TRMM・(2〜3等)
☆シーサット・SEASAT(2〜3等)
☆スペースシャトル・STS(-1〜3等:常に宇宙を飛行しているわけではない)
などです。
また、衛星携帯電話に利用されていたイリジウム衛星はそれほど明るくはありませんが、反射率の高いアンテナに太陽光があたって数十秒間にわたって金星以上に明るく輝くことがあります。 |