流星群は、彗星(ほうき星ともいう)から放たれた小さなチリが、地球に降り注いで光る現象です。
ペルセウス座流星群の元は、1992年12月に太陽に近づいたスイフト・タットル彗星。近年話題を呼んでいるしし座流星群はテンペルタットル彗星が、その母天体です。
これらの彗星の軌道(きどう=天体の通り道)は、地球の軌道とほぼ交わっていて、地球は毎年決まった時期に、彗星の通り道に地球がさしかかるため、この彗星のチリが地球に降り注いでくるわけです。
ペルセウス座流星群の出現は、約2000年も前の紀元36年から記録に残されていますが、昔の人々はなぜ流れ星が流れるのかわかりませんでした。流星群のヒミツが彗星と関係があるとわかったのは、1866年のことで、スイフト・タットル彗星とペルセウス座流星群、テンペルタットル彗星としし座流星群の関係がスキャパレリによって明らかにされて以来です。
さて、ペルセウス座流星群は毎年確実に出現し、その活動も見事なものであることから、1月のりゅう座流星群、12月のふたご座流星群とならんで、3大流星群とよばれます。最近は、約33年ごとに大出現を繰り返してきたしし座流星群がこれに加わり、4大流星群といったほうがいいかもしれません。
●流れ星は、どこから流れるの?
ペルセウス座流星群の場合、その名の通り、ペルセウス座の方向から流れるようにみえます。ペルセウス座流星群の流れ星の通った跡をたどると、ほぼ一点から流れ出るように見え、この点を輻射点(ふくしゃてん)とよんでいます。1年の間に、主なものだけでも12の流星群がありますが、一般にそれぞれ輻射点がどの星座にあるかによって流星群の名前が決められています。
この図のように、流星群の名前となる星座だけで光るわけではありません。流れ星は、全天をほぼまんべんなく流れます。ですから、できるだけ広い範囲をながめるようにしましょう。
●何時頃見えるの?
流星群は、輻射点が地平線より高く昇らないとみえません。空が暗くなればそれなりの数が飛びそうですが、実際には輻射点が地平線から10度以上高くなってから目に見えてふえだすようです。
その時間以降は、地平線がどんどん高くなるので、流れる数も増えてきます。未明の3時ごろには、地球の進行方向と流星の元となる物質の分布の関係で、一般に、明け方が多く流れるといわれます。ですから、流星群をたくさんみるには、お体と相談の上、ぜひ徹夜しての観察をおすすめします。
●どのくらいの流れ星が見えるの?
流星群とはいっても、昨年11月19日にヨーロッパで見られたしし座流星群のように、雨のように流れ星が降りしきるのは滅多にあることではありません。
よく、天文雑誌などに、「流星群の1時間あたりの数」がありますが、これは、流星群の極大時(活動が最も活発になった時)に、空の暗い場所で空全体をながめたときの数です。ですから、街の中にある自宅の窓から見たときは、まったく見えないこともあります。また、「○月○日が極大」といっても、輻射点が地平線から高くならない夜9時頃では、ほとんど流れないかもしれません。流れ星は、まるで「節分の豆まき」のようなものです。1分のうちに数個見えるときもあれば、数十分もまったく飛ばないこともあります。
●流れ星を見る〜ポイント
@明るい流れ星が多いのがペルセウス座流星群の特徴。観察場所は空が暗いほうが理想的ですが、自宅付近でも十分楽しめます。星の観察を安全に楽しめる場所を、あらかじめさがしておきましょう。
A流星はいつ、どこに流れるか、まったく予想がつきません。10分以上も流れなかったり、数秒のうちにたくさん流れたり、まるで「節分の豆まき。」
また明るい家の中から外に出ても、眼が星空に慣
れるまで10分以上かかります。最低でも、30分以上 じっくり、ゆったりと流れ星を待ちましょう。
B流星は空全体ほぼまんべんなく現れます。広い範囲を眺めましょう。
C10分間とか1時間というふうに観測時間帯を決め、その間に見えた流星の数を数えてみましょう。
D流れ星の光っている時間帯は、ほとんどが1秒以下。願い事は短めがいいようです(^^)。
E最後に、一番大切なことを。8月の朝方は予想以上に冷え込むことがあります。高地で観測される場合はもちろん、防寒着は準備して風邪を召さないように....。