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ペルセウス座流星群をみよう

        【2000年8月11日公開】


 毎年お盆のころ、たくさんの流れ星が夜空をかざります。夏の風物詩・ペルセウス座流星群です。

●流星群ってなに?

 流星群は、彗星(ほうき星ともいう)から放たれた小さなチリが、地球に降り注いで光る現象です。
 ペルセウス座流星群の元は、1992年12月に太陽に近づいたスイフト・タットル彗星。この彗星の軌道(きどう=天体の通り道)は、地球の軌道とほぼ交わっていて、地球は毎年8月12日頃、彗星の通り道に地球がさしかかるため、この彗星のチリが地球に降り注いでくるわけです。
 ペルセウス座流星群の出現は、約2000年も前の紀元36年から記録に残されていますが、昔の人々はなぜ流れ星が流れるのかわかりませんでした。流星群のヒミツが彗星と関係があるとわかったのは、1866年のことで、スイフト・タットル彗星とペルセウス座流星群、テンペルタットル彗星としし座流星群の関係がスキャパレリによって明らかにされて以来です。

 さて、ペルセウス座流星群は毎年確実に出現し、その活動も見事なものであることから、1月のりゅう座流星群、12月のふたご座流星群とならんで、3大流星群とよばれます。最近は、約33年ごとに大出現を繰り返してきたしし座流星群がこれに加わり、4大流星群といったほうがいいかもしれません。

●流れ星は、どこから流れるの?meteor_per1.jpg (13384 バイト)

 ペルセウス座流星群という名の通り、ペルセウス座の方向から流れるようにみえます。ペルセウス座流星群の流れ星の通った跡をたどると、ほぼ一点から流れ出るように見え、この点を輻射点(ふくしゃてん)とよんでいます。1年の間に、主なものだけでも12の流星群がありますが、一般にそれぞれ輻射点がどの星座にあるかによって流星群の名前が決められています。

 この図のように、ペルセウス座だけで光るわけではありません。流れ星は、全天をほぼまんべんなく流れます。ですから、できるだけ広い範囲をながめるようにしましょう。 

 

●何時頃見えるの?

 流星群は、輻射点が地平線より高く昇らないとみえません。大崎地方では、輻射点は1日中地平線の上にありますので、空が暗くなればそれなりの数が飛びそうですが、実際には輻射点が地平線から15度以上になる夜9時半ごろから流れ出すようです。
 その時間以降は、地平線がどんどん高くなるので、流れる数も増えてきます。未明の3時ごろには、60度にも達し、もっとも良い条件となります。
 流れ星は一般に、明け方が多く流れるといわれます。ですから、ペルセウス座流星群をみるには、お体と相談の上、ぜひ徹夜しての観察をおすすめします。

 

●どのくらいの流れ星が見えるの?

 流星群とはいっても、昨年11月19日にヨーロッパで見られたしし座流星群のように、雨のように流れ星が降りしきるのは滅多にあることではありません。

 よく、天文雑誌などに、「流星群の1時間あたりの数」がありますが、これは、流星群の極大時(活動が最も活発になった時)に、空の暗い場所で空全体をながめたときの数です。ですから、街の中にある自宅の窓から見たときは、まったく見えないこともあります。また、「12日が極大」といっても、輻射点が地平線から高くならない夜9時頃では、ほとんど流れないかもしれません。
 昨年の極大の日にパレットおおさきの職員は、蔵王の山中で、一番多い時間帯で1時間40〜50個ほどの流れ星を見ています。
 流れ星は、まるで「節分の豆まき」のようなものです。1分のうちに数個見えるときもあれば、数十分もまったく飛ばないこともあります。

 

●今年のペルセウス座流星群は?

 今年のペルセウス座流星群の極大は、8月12日午前11時ころと、8月12日午後7時ころと計算されています。極大が2つあるのは、従来からの極大(今年は12日午後7時ごろ)と、1991年ごろから確認されている新極大(今年は午前11時)が存在するためです。ただし、ここ数年の観測では、新極大は衰えつつあるようです。
 今年は、どちらの予報極大時刻も、日本では昼間か夕方で残念なのですが、8/11〜13日の2晩はぜひ空をながめてほしいと思います。
 8月15日が満月ですので、月の明かりが暗い流れ星をかき消すため例年より少ない数となるでしょうが、それでも1時間あたり20個以上の流れ星は見えるかと思います。

8月11日から14日の月齢と月の入りの時間は以下の通りです。

8月11日夜〜12日未明 月齢11 月の入り 0:59  
8月12日夜〜13日未明 月齢12 月の入り 1:45 
8月13日夜〜14日未明 月齢13 月の入り 3:36 

この時期、空が白み出すのは3時過ぎです。12/13日前ですと、月が沈んでからわずか時間の暗い空がのぞめます。この時間に、焦点を絞って観測されてもいいかと思います。でも、ペルセウス座流星群は、明るい流れ星が多いのも特徴です。晴れたらぜひ、ごらんいただきたいと思います。

●流れ星を見る〜ポイント

@明るい流れ星が多いのがペルセウス座流星群の特徴。観察場所は空が暗いほうが理想的ですが、自宅付近でも十分楽しめます。星の観察を安全に楽しめる場所を、あらかじめさがしておきましょう。

A流星はいつ、どこに流れるか、まったく予想がつきません。10分以上も流れなかったり、数秒のうちにたくさん流れたり、まるで「節分の豆まき。」
 また明るい家の中から外に出ても、眼が星空に慣 れるまで10分以上かかります。最低でも、30分以上 じっくり、ゆったりと流れ星を待ちましょう。

B流星は空全体ほぼまんべんなく現れます。広い範囲を眺めましょう。

C10分間とか1時間というふうに観測時間帯を決め、その間に見えた流星の数を数えてみましょう。

D流れ星の光っている時間帯は、ほとんどが1秒以下。願い事は短めがいいようです(^^)。

E最後に、一番大切なことを。8月の朝方は予想以上に冷え込むことがあります。高地で観測される場合はもちろん、防寒着は準備して風邪を召さないように....。

 

●流れ星関連リンク

・アストロアーツ「2000年夏のペルセウス座流星群を楽しむために
            (流星の写真の写し方もこちらです)
日本流星研究会速報集計結果日毎グラフ時間毎グラフはこちら

・吉田誠一さん「流星群カタログ
東京近郊地区流星観測者会
東京流星観測網(TOKYO METEOR NETWORK)
日本火球ネットワーク
流れ星の話

 

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