<星の明るさ>
冬の星空は他の季節よりもことのほか美しい,といわれます。
寒い分、空気が澄んでいることもありますが,明るい星がたくさんあって華やかなためでもあります。
さて、明るい星のことをよく「1等星」とよびますね。
これは古代ギリシャの天文学者・ヒッパルコスが,夜空の特に明るい星20個ほどを「1等星」,肉眼で見えるぎりぎりの暗い星を6等星としてグループ分けしたのが始まりです。その後,1等星は6等星の100倍の明るさと決められ,1.0等は2.0等の2.512倍というように,光の量によって星の明るさを詳しく表現するようになりました。ちなみに,おおいぬ座のシリウスという星は、マイナス1.5等ということになります。厳密には1等星ではないのですが、むかしからのなごりで、1等星グループとされているわけです。
冬の星空には明るい星が多いと書きましたが,20個ほどの1等星のうち,冬の星座の中には,7つもあります。
オリオン座のベテルギウスとリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバランです。関東以南では、これにりゅうこつ座のカノープスが加わります。
<星の色>
そのうちの6つの星に望遠鏡を向けてみました。
丸く写っていますが,星の形や大きさをとらえているわけではありません。世界一の望遠鏡でみても,恒星は点にしかみえないのです。
これはいわゆる「ピンぼけ」写真。色がよくわかるように,望遠鏡にカメラをつけて,わざと「ピンぼけ」にしたうえに,露出不足ぎみにして撮してみました。
この写真が星の色を忠実に再現してはいませんが,傾向だけはつかんでいると思います。また実際に,これほど極端に色を感じることはできませんが,明るい星ほど色は観察しやすいものです。
写真中の星の名前の隣に,AとかBとありますが,これはスペクトルのタイプをあらわす記号です。もっとも青い「O」から赤の「M」にかけて,「O・B・A・F・G・K・M」の7つわけられています。興味深いのは,この色によって,恒星の温度を間接的に知ることができることです。
|
実際の星空で,ご自分の目でご覧になってみて下さい。
冬の星の輝き,星の色から,なんとなくあたたかい星のぬくもりを感じることができるかも。
2月10日(金)はパレットおおさきの「星をみる会」」です。テーマは“冬の星座めぐり”。
18時40分からプラネタリウム特別投映,19時20分ごろから屋上広場及び屋上天文台で天体観望を行います。一個一個の冬の一等星とともに,冬の星座たちをめぐってみます。どうぞ暖かい服装でおいで下さい。皆様のご来館をお待ちしています。