(2000年2月)
1等星など明るめの星を注意深く観察すると、星には色があることに気づくでしょう。星の色は、明るい星ほど人間の目に感じやすいので、なるべく明るい星を選んで、じっくり見てみましょう。特に冬の星座には、一等星が多いので、星の色を観察するよいチャンスです。
さて、右の写真は、冬の8個の一等星のうち、6つの星の色をしめしたものです。
色をわかりやすくするために、望遠鏡のピントをわざとぼかし、すこし露出不足気味にして撮影しました。クリックすると、高画質の画像をみることができます。オリオン座のリゲルは青、おおいぬ座のシリウスは白。こいぬ座のプロキオンやぎょしゃ座のカペラは黄色からクリーム色。おうし座のアルデバランやオリオン座のベテルギウスは、オレンジから赤色であることがわかりますね。
写真中の、英語で書かれた名前の右に、アルファベットが書かれていますが、これは、色の違いを示すスペクトル型です。
スペクトルの型は、青から赤の順に、
O・B・A・F・G・K・M
という7つに分けられます。ちょっと、怪しい内容ですが、
【Oh! Be A Fine Girl , Kiss Me!!】 と覚えれば、忘れませんね。このスペクトル(星の色)は、下の図のように、星の温度と関係があります。
ふつう、温度が高いほど青く輝き、温度が低くなると赤くなります。ガスコンロの炎や、電気ストーブの電熱線と同じですね。
さて、この図のように、横軸にスペクトル、縦軸に星の明るさ(比較しやすいように、約32光年=10パーセクの距離からみた絶対光度とします)をおいて、星を並べてみるとさらにおもしろいことがわかってきます。
これは、星の一生を解明する上で欠かせない図で、H−R図(ヘルツスプルング−ラッセル図)と呼ばれています。