10日午後2時ごろ、大規模なフレア発生!
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フレアの発生から衰退までの過程
<解説>
今月10日午後2時過ぎに、大型の太陽フレアが発生しました。発生したのは、先週より出現していた大黒点群9415領域付近で、当日は地球からみて太陽面のほぼ中心付近に位置していました。 パレットおおさきでは、屋上天文台にある太陽フレア監視用のフィルターを装着した10cm屈折望遠鏡で、この現象をとらえることに成功しました。観測は、現象の2時間前の正午から午後5時まで行われており、太陽フレアの発生から成長、極大期、衰退までの全過程をデジタルビデオで撮影することに成功しました。撮影は、接眼レンズを装着した「拡大法」によって行われ、高精細な画像を得ております。 発生直後、小さな白い斑点が黒点群付近に現れだし、数分後には、それらが線状につながったり白く輝く大きな塊として成長し、午後2時20分過ぎにピークを迎えました。その後1時間近く、形状を変えて広がりながら、徐々に輝きを弱めながら、線状の明るい部分は午後5時過ぎまで低空の薄曇りの中でも見えていました。
2.今回の現象の背景となる太陽の活動について 現在、太陽の活動は非常に活発であり、今がまさに、11年ごとに訪れる「太陽極大期(ソーラー・マックス)」にあると思われます。 3.太陽フレアとは 太陽フレアとは「太陽面爆発」ともいいます。 太陽面の黒点群の上空にあるプラズマガス中のエネルギーが爆発的に放出される現象とされています。しかし、フレアの発生のメカニズムには、未解明な部分がまだ多く残されています。最大級のフレアでは、大型の火力発電所が数十億年分の発電量に相当するエネルギーを、わずか数時間の間に解放する非常に壮大な現象であるとのことです。大規模な太陽フレアが発生すると、地磁気嵐やオーロラを発生させるとともに、太陽プロトンと呼ばれる高エネルギー粒子を発生させます。これらの影響により、無線通信に影響が発生したり、衛星搭載機器の誤動作、障害を招く事があります。また、近年では、宇宙活動の進展に伴い、有人宇宙活動における放射線被曝も懸念されています。
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