星座を形づくる星(恒星)は一番近い星でも、光の速さで4年5ヶ月かかる距離(約42兆km)。私たち地球の兄弟星・惑星では、一番近い金星は約4200万km。木星は一番近いときで6億5000万km。それに対して、月は、地球から約38万kmの距離。
ですから、答えは「星が月にかくされる」です。
月が星をかくすという現象は、星食(せいしょく)といいます。しかし、実際の星食をご覧になったことのある方は、そう多くないかもしれません。しかし、1ヶ月に数回は、望遠鏡等で見える星食が起こっているのです。ほとんどの場合、月の光が明るく、かくされる星が暗いために見えなかったり、見づらかったりするからです。
8月16日の朝方には、月が木星と同じ方向にやってきました。そのため、木星が月にかくされる木星食(もくせいしょく)が起こりました。
@朝2時半過ぎには、細い月がどんどん木星に近づいていく様子が見え、
A3時5分には、木星がどんどん月に近づいていき、やがて吸い込まれていくように消えていきます
B4時ちょうどごろ、空が白んでいる中で、再び木星が月の背後から出てきます。
(時刻はすべて宮城県古川市)
この様子は、宮城県や関東など東日本ではあいにくの曇りのため見ることができませんでしたが、日本海側や九州地方では天候に恵まれ観測されました。
こちらのページに、山形県立川町で観測に成功した殿村泰弘さんのVTR映像からキャプチャーした画像を紹介しています。また、パレットおおさきの体験展示室の天文モニターでも、氏のVTR映像をごらんになることができます。
このように、惑星が月の後ろに隠れる現象を総称して「惑星食」とよんでいます。国立天文台ニュースによれば、2001年には、水星食が1回、金星
食が2回、火星食が1回、木星食が5回、土星食が9回、計18回の惑星食が起こります。しかし、中で日本で見ることができるのは、12月14日の金星食、8月16日の
木星食、10月8日および11月4日の土星食の4回で、好条件で観測できるものはそう多くはありません。
ちなみに、日本で暗夜でみえる木星食は、1944年以来57年ぶり。次回は33年後の2034年10月になる、ということです。
東北〜北海道地方では、10月8日未明、今度は土星が月にかくされる「土星食」が観測できます。