7月7日は「七夕(たなばた)」
夜8時すぎに、東の空の高いところには、七夕の物語をかざる二つの星がかがやいています。
(AstroArts ステラナビゲータで作成)
すぐにみつかる一番明るい星が、こと座のベガという星で、これがたなばたの「おりひめ星」です。そこから、右下のほうにもうひとつ明るい星が、わし座のアルタイルで、こちらは「ひこ星」。
暗い空でみると、うすい雲のように、ぼうっと天の川が広がっています。この天の川をはさんで、2つは星が向かい合っています。
(パレットおおさき 松浦撮影)
天の川のひみつ 織り姫星と彦星の間にながれる「天の川」。双眼鏡や望遠鏡で観察すると、その正体は、たくさんの星々の集まりであることがわかります。
私たちの地球や太陽系は、右の図のようなたくさんの星々の大集団「銀河系」の一員です。銀河系は、約2000億個の星の大集団と考えられています。その銀河系の中に、私たちの地球があるわけです。
この銀河系を内側からのぞいてみているため、星々の光が川のような光の帯になって広がって見えるのが天の川というわけです。
宇宙には、私たちの銀河系と同じような星の集まりが、数千億個あると考えられています。これを「銀河」とよびます(また、小宇宙、系外星雲、系外銀河などと呼ぶこともあります)。秋によく見える、お隣のアンドロメダ銀河(M31)はその代表ですね。 |
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たなばた物語 |
むかし、神様の時代の中国に、はた織りのとても上手な娘・おり姫(織女・しょくじょ)がいました。
おり姫は、父である天帝(天の神さま)の言いつけで、くる日もくる日も、熱心にはた織りをしていました。
天の神さまは、そんなおり姫に、けっこん相手をさがしました。それが、天の川のむこう岸にすむはたらき者の若者・牽牛(けんぎゅう)でした。二人はめでたく夫婦となりました....
二人はとても仲の良い夫婦になりましたが、あまりにお互いを気に入りすぎて、仕事をしなくなってしまいました。おこった天の神さまは、二人を引きはなし、一年に一度、7月7日だけ会うことをゆるしたのです。
今でも二人は、7月7日に会えることを楽しみに、おり姫星と彦星になって、天の川の両岸でまたたいているいうことです。
このお話の元は、今から約2500年前、孔子(こうし・前551-前479)が活躍した時代の中国ですでにできあがっていて、約2000年前の後漢(25-220)の時代には完成していたとされています。日本に伝わったのは、今から1300年前の飛鳥時代で、天皇や貴族の持統天皇の祭りとしてスタートしました。やがて、次第に庶民の間にも広がっていき、仙台市や平塚市、古川市など日本各地で、たなばた祭りやお祝いなどの行事になりました。
有名な仙台七夕まつりは8月6〜8日、古川まつりは8月2〜4日です。
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なお、本来の「7月7日」というのは旧暦です。今年の旧暦7月7日は、8月22日にあたります。
もちろん、織り姫星や彦星は、七夕の日にしか見えないわけではありません。夏から初冬にかけての宵の空に、晴れれば毎晩のように見えるのです。
みなさん、本当の空で、織り姫星や彦星、そして夏の星空をご自分の目で楽しんでみましょう! |