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9月12日(火)は中秋の名月(十五夜) 

    【2000年9月7日公開・9月6日古川オフトークで放送】  


 

ススキと団子をそえて、十五夜のまん丸お月さまを楽しむ。お月見は、日本の伝統的な年中行事ですね。
今年の十五夜は、9月12日です。

●中秋の名月とは

 中秋の名月は十五夜ともいい、旧暦の8月15日のお月様のことです。
 むかしは7月・8月・9月の3ヶ月間を「秋」としていました。旧暦では、各月の15日頃が満月(十五夜)にあたりますので、ちょうど秋の真ん中の月をめでるようになったのです。古くは、中国の「中秋節」に由来する風習だとされます。
 日本では、平安時代から宮中行事となりました。十五夜には、秋の収穫を祝う意味もあり、庶民に定着していったのは江戸時代のこと。それ以降、収穫された農作物や、米や穀物を混ぜてつくった団子をそなえていくようになります。十五夜の夜には、多くの地方でススキと団子を供えますが、秋の七草や、果物や豆類、御神酒などをお供え物にする地方もあります。中でもさつまいもや里芋はお供え物の代表格で、十五夜を「いも名月」ともいいますね。

●中秋の名月は、必ず満月?

 月は約30日で満ち欠けしますので、その期間を「月」とよんだわけです。ちなみに、英語で夜空の月をMOONといい、約30日間をMONTHというので、発想は同じですね。
 さて、昔の暦(カレンダー)は、太陽の運行をもとにつくられた今の暦(陽暦)とは異なり、月の満ち欠けで日付をきめていました。旧暦を「陰暦」ともいいますが、「陰」とは太陽に対する月の意味です。
 旧暦では、月が太陽の方向にあって見えない日を1とし、新月(月齢は0)となります。ですから、30日の半分の、だいたい15日目で満月となる計算になります。
 でも、必ずしも旧暦の15日の夜が満月になるとは限りません。なぜでしょうか。
 月の満ち欠けの周期(1朔望・さくぼう)はちょうど30日ではなく、29.53日です。また、月は楕円の軌道で地球の周りを回転していますので、いつも一定の速度で動いているわけではありません。月齢が0の時を新月、月齢7.4を上弦、14.8の時を満月、22.1を上弦としていますが、これらは平均であって、実際には1.0近くの差がでることがあります。これらの理由で、旧暦の日付と月齢は少しづつずれるのです。 今年の十五夜の宵に見る月の月齢は14。本当の満月は、9月14日です。ですから、今年の十五夜をよくみると、右側がわずかに欠けているのがわかるでしょう。

 なお、9月の中旬は秋の長雨の季節にあたり、この時期に晴れる確率は4割とか。でもそのときは、1ヶ月後の「十三夜」を楽しみましょう。十三夜は、旧暦の9月13日のことで、今年は10月10日です。十三夜は、別名を「栗名月」ともいいます。なお、十五夜だけを楽しむのは「片見月」といい、昔からきらわれているようですので、できれば十五夜と十三夜の両方を楽しみたいですね。

注:新聞やラジオ等の「今日の月齢」は、正午か午後9時の月齢で、たいていは正午の月齢を使っているようです。
 月齢を示す数字は、約2時間半で0.1増え、9時間すすめば月齢は約0.4増えます。「明日が満月」といっても、午前1時に満月になる場合、実際には今日の月の方がまん丸に見える場合もあります。


★気になる天気予報は?
   ヤン坊マー坊天気予報 各地の週間天気予報

 

●月にはウサギはいるの?

 月の模様といえば、もちをつくウサギの姿がすぐに思い浮かべられますね。中国でも、薬草をひいているウサギの姿とみるそうです。
 月のウサギのお話は、仏教の伝えまでさかのぼります。昔々、帝釈天がおじいさんに姿を変えて、動物たちに食べ物をめぐんでほしいとたのんだそうです。すると、猿は木の実を、狐は魚をとってきました。しかし、ウサギは何もとってこれず、自ら火の中に飛び込んで自分の肉を与えたそうです。帝釈天は、哀れむと同時にほめたたえ、ウサギを月の中によみがえらせてあげたというわけです。
 さて、月の模様はウサギだけでなく、いろんな模様に見えます。どんな模様に見えるか、実際の月をじっくりながめながら確かめてみてください。

 

 ●月のデータ
 直   径 3,476km
 (地球の約4分の1)
 距   離 地球から平均約38万km
 (地球の直径の約30倍)
見かけの大きさ 平均30′
 (1°のほぼ半分)

*実際の直径は太陽の約400分の1だが、太陽までの距離の約400分の1にあるため、地球から見た見かけの大きさは太陽とほぼ同じとなります。

 質   量 (地球の1.23%=約81分の1)
 平均密度 1cm平方あたり3.34g
 (地球の約3分の2)
 重   力 平均30′
 (地球の約4分の1)

*もし、月で体重計に乗れば、体重は4分の1になっています。


●月関係リンク

☆「中秋の名月」についてもっと知りたい方は

十五夜・お月見の民俗HP (出雲昌子さんホームページ)

☆もっと月について知りたい方は

ナインプラネッツ
「地球と太陽系」

パレットおおさき「星空なんでも質問箱・回答コーナー」 
「月は地球のかけらなのに、どうして気温や環境が違うのですか?」への回答

☆「今日の月齢」を知りたい方は

アストロアーツ (トップページに月齢が示されています)
好きな人のための新着情報 (福原直人さんホームページ。現在の月齢が示されています)

☆「この日・あの日」の月齢を知りたい方は

今月の各地の月出没時刻・月齢(海上保安庁水路部)
1997-2010年の月の満欠け
現在の月(海上保安庁水路部天文・測地情報&水路観測所のページ)

 

 

 

 

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