2001年の天文現象
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じ >
今年の三大イベント
★今年の
三大天文イベント
松 11月19日未明しし座流星群に注目!
日本で流星雨の可能性あり
竹
6月下旬、火星が準大接近。
小型望遠鏡でも模様を観測可能
梅
2度の月食(1/10と7/5)
木星食(8/16)と土星食(10/8)
★概況
太 陽
2000年にピークとなった太陽活動は、今年も活発な状態が続く。昨年以上に活発な状態となる時期もあるかもしれない。肉眼でも見える大黒点がしばしば現れ、プロミネンスやフレアなどの表面現象も増える。これらの様子は、パレットおおさきの屋上天文台で観測しており、体験展示室太陽モニターでリアル画面(曇天の場合は録画画面)でみることができる。大規模なフレアなどがおこると、磁気あらしにともなう通信障害などが心配される。一方で、日本でもオーロラが発生するかもしれない。
水 星
太陽に最も近いため、なかなか目にすることはむずかしい。比較的見やすくなるのは、夕方の西の空では太陽から東に最も離れる「東方最大離角(とうほうさいだいりかく)」のとき、朝方の空では「西方最大離角(せいほうさいだいりかく)」のときである。今年、夕方西の低空に比較的見やすいのは5月中旬・9月中旬。夜明け前の東の低空に見やすいは3月初〜中旬と7月初旬、11月中旬である。
金 星
分厚い雲に覆われているうえ地球に近いため、夕方や明け方の空に非常に明るく輝く。夕方に輝く時を「宵の明星」といい、今年は3月くらいまで。4月以降は、明け方に輝く「明けの明星」となる。水星と同様、「東方最大離角」と「西方最大離角」がある。「東方最大離角」は1月17日。「西方最大離角」は6月8日で、最も明るくなる1月22日と5月5日頃をはさんで、白昼青空の中にぽつりと光る姿を見つけることができるかもしれない。
火 星
火星は2年2ヶ月ぶりに地球に近づくが、今年6月22日に約6740万kmまで接近する。火星の軌道は、地球のそれと比べるとやや楕円であるため、接近時の距離は約5600万km〜1億km以上とばらついている。今回は大接近とまでいかないにしても、1988年以来13年ぶりの条件のよい接近(準大接近)である。春先から、小さな望遠鏡でも、赤い表面に黒い模様がみえるようになる。なお、2003年8月には、5576万kmというさらに条件のよい大接近を控えている。
木 星
太陽系最大の惑星で、ひときわ明るく輝く惑星の王者。春先まで冬の星座の中にみられ、夏にはいったんみえなくなるが、初秋から再び明け方の空に見え始める。2002年1月1日に衝(しょう=太陽の正反対に位置するので、ほぼ一晩中見える状態)となるので、宵の空では秋〜冬に見ごろになる。今年始めは、土星とともにおうし座に入り、ヒアデス星団やすばるとの接近が楽しめる。年の後半はオリオン座をはさんで、ふたご座に木星、おうし座に土星が対峙する様子が楽しめる。また、木星が月に隠される「木星食」が、8月16日未明に起こる。
土 星
12月3日に衝。木星とともに、宵に見やすいのは年初めと秋・冬にかけて。シンボルマークである環が来年最も開く時期となるので、小さな望遠鏡でも十分に楽しめる。土星が月に隠される「土星食」が、10月8日未明に、東北・北海道で起こる。
天王星
8月16日に衝。海王星とともに夏から秋に見やすい。5等級で、双眼鏡でも十分存在がわかる。暗い空では、肉眼でも存在がわかるかもしれない。望遠鏡をつかえば、神秘的な緑青色に輝く円盤状の姿が楽しめる。
海王星
7月30日に衝。7〜8等級なので、望遠鏡をつかえば、青色に光る円盤状の姿が楽しめる。
冥王星
6月4日に衝。夏〜空きに見やすい。といっても、14等という暗さで、パレットおおさきの30cmを使っても見ることは難しい。1999年2月から、再び最遠の惑星になったが、今後太陽からは遠ざかる一方であり、21世紀早い時期に大型望遠鏡でその姿を確かめてほしい。
彗 星
今年は、21個の周期彗星が回帰する。その中でも、41P/タットル・ジャコビニ・クレサックと19P/ボレリーが、8〜9等となり、小望遠鏡でなんとか観察できる。41Pは1月から2月にかけての明け方、19Pは9〜10月の明け方に見ごろとなる。新彗星も多数現れようが、その中でもC/200WM1リニア彗星が目玉。11月ごろ6等台まで明るくなり、小望遠鏡でも見えるかもしれない。
小惑星
今年はじめまでに、軌道が確定し正式に認められた小惑星数は、ついに2万個の大台を越えた。今年も新たに数千個加わる見込み。
明るい小惑星としては、ケレスが7月8日に衝(7等)、パラスは5月28日(9等)、ベスタが11月28日に衝(6等)となり、双眼鏡や小型望遠鏡でも十分見える明るさとなる。
流星群
8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群は月の明かりにじゃまされる。しし座流星群は、2001年に日本で大出現するという予報があり、今年は絶対に見逃せない。
日食・月食
今年は日食・月食が各2回あるが、日本では1月10日の皆既月食と、7月5日の部分月食しか見れない。しかし、アフリカ南部で条件のよい皆既日食が予報されており、日本からも多数の天文ファンが遠征する見込み。
星 食
月に星が隠される現象を星食(せいしょく)という。今年は明るい星の食はないが、惑星食が3度もある。
8月16日早朝の木星食と10月8日早朝の土星食は条件は比較的よい。11月4日の土星食は、日出直後・月没直前という条件で非常に厳しい。
その他の話題
ハワイに完成したすばる望遠鏡が、いよいよ本格的な観測態勢に入り、活躍が期待される。また、日本は電波・ガンマ線天文観測、国際宇宙ステーション建設などの分野で世界共同事業に参加する。
修理を終えたハッブル望遠鏡とともに、世界最大のX線天文衛星チャンドラーや、太陽観測衛星SOHO、日本のようこうなどの衛星観測の成果が期待される。
また、新たな小惑星や新星・超新星、彗星の発見にも期待したい。この分野における日本のアマチュア観測家の活躍は、今年も健在であろう。
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