2002年の天文現象


<   も   く   じ   >  

今年の三大イベン

主な天文現象 1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月

今年の 三大天文イベント

 6月11日、全国で部分日食 

 
3月20日宵、土星が月にかくれんぼ 

 
  春の夕空に冬の一等星と惑星たちが大集合

番外編  11月アメリカでしし座流星雨!?


★概況
今年の干支「午(うま)」に関係する星座には、空飛ぶ天馬として有名な「ペガスス座」とともに「こうま座」がある。いずれも秋の星座。秋には高く天を駆ける姿となる。今年も、6月の部分日食、春の宵空にみえる冬の一等星と惑星たちの動き、3月20日の土星食、ペルセウス座流星群やしし座流星群、などなど興味深い天文現象が目白押しである。

太 陽

2000年頃から活動極大期を迎えた太陽は、今年もプロミネンス、フレアなどの現象が多くまだまだ目が離せない。極付近でのオーロラ活動は今年も非常に活発であろう。ない。

水 星

太陽に最も近いため、なかなか目にすることはむずかしい。夕方西の低空に比較的見やすいのは1月・5月・9月の各初旬と12月下旬。夜明け前の東の低空に見える「東方最大離角」は2月・6月・10月の中旬。

金 星

分厚い雲に覆われているうえ地球に近いため、夕方や明け方の空に非常に明るく輝く。夕方に輝く時を「宵の明星」といい、朝方にみえるとき「明けの明星」という。1月14日に太陽の向こう側にまわり(外合)、2月下旬以降に宵の明星として見え出す。8月22日に東方最大離角で、このころが最も夕方の南西の空に見やすい。10月31日に見かけ上太陽に最も近づき(内合)、以後はあけの明星となる。最大光度は9月26日と12月7日。

火 星

5月まで西の夕空にみえるが、地球から遠ざかる一方で8月末には最遠の4億q。望遠鏡での詳しい観察は難しい。火星は2年2ヶ月ぶりに地球に近づくが、今年の再接近はない。しかし来年8月に控えた超大接近にむけて徐々に地球に近づき、秋以降は明け方の空に見え始め観測シーズンが再開される。12月30日白昼月にかくされる様子は、望遠鏡でみえる。火星の軌道は、地球のそれと比べるとやや楕円であるため、接近時の距離は約5600万km〜1億km以上とばらついている。2003年8月には、5576万kmという非常に条件のよい接近となる。

木 星

春先まで、冬の一等星たちが明るさを競い合う中でも、ひときわ明るく輝いている。太陽系最大の惑星で、「惑星の王者」の表現がふさわしい。夏にはいったんみえなくなるが、初秋から再び明け方の空に見え始める。2002年1月1日に衝(しょう=太陽の正反対に位置するので、ほぼ一晩中見える状態)となるので、宵の空では秋〜冬に見ごろになる。今年始めは、ふたご座にあり、年の後半はかに座にうつる。9月初旬にかに座プレセペ星団に近づく様子も見もの。
木星が月に隠される「木星食」は、何度か起こるが、宮城県では観測できない。

土 星

12月に衝となり、宵に見やすいのは冬から春にかけて。今年あたりが環の一番開くころで、小さな望遠鏡でも十分に楽しめる。3月20日に、月にかくされる様子は今年の見所の一つ。

天王星

8月20日に衝。海王星とともに夏から秋に見やすい。5等級で、双眼鏡でも十分存在がわかる。暗い空では、肉眼でも存在がわかるかもしれない。望遠鏡をつかえば、神秘的な緑青色に輝く円盤状の姿が楽しめる。

海王星

8月2日に衝。7〜8等級なので、望遠鏡をつかえば、青色に光る円盤状の姿が楽しめる。

冥王星

6月7日に衝。春〜夏に見やすい。といっても、14等という暗さで、大型の望遠鏡を使ってもなかなか見ることは難しい。1999年2月から、再び最遠の惑星になり、今後太陽からは遠ざかる一方。

彗 星

23個の周期すい星が太陽に近づく。その中で小さな望遠鏡でも見えそうなのは、46P/ウィルターネンぐらいで、それでも10等前後である。明るい新すい星の出現に期待したい。2004年5月に明るいすい星になると期待されているニートすい星(C/2001Q4)の動向も今のうちから気になる

小惑星

年初の段階で、32729個の小惑星が確認・登録されている。今年も新たに幾多の小惑星が発見され、登録済み小惑星も加わる見込み。いくつかの小惑星が地球のすぐ近くをかすめていくことだろう。
明るい小惑星としては、(3)小惑星ジュノーが2月11日に衝(約8等)、(1)小惑星ケレスは10月4日(約7等)、(2)パラスが8月12日に衝(約9等)となる。(4)ベスタは今年衝とはならないが冬から春、秋から冬にかけて7〜8等でみえる。これら4大小惑星は、双眼鏡や小型望遠鏡でも十分見える明るさとなる。

流星群

8月のペルセウス座流星群は月明かりがなく絶好の観測条件。12月のふたご座流星群は月の明かりにじゃまされる。2001年に日本で大出現したしし座流星群は、今年アメリカで大出現するという予報がある。日本では大出現の可能性はないと思われるが、何が起こるかわからない。今年も要注意。

日食・月食

今年は日食が2回、月食が3回あるが、日本でみられるのは5月26日の半影月食と6月11日早朝の部分日食。6月の日食は日本で見えるものでは今世紀最初。1997年3月以来、5年ぶりに見えるもので、太陽全体の約41%が欠ける。半影月食のほうは、肉眼ではわかりづらいだろう。

星 食 

月に星が隠される現象を星食(せいしょく)という。昨年に続いて惑星食がいくつか見られる。また、2等級の恒星の食も2月と9月に起こる。4月には、北海道方面でふたご座の一等星ポルックスが小惑星によってかくされるという予報がある。

その他の話題

今年も世界中の天文台やアマチュア天文家によって、たくさんの新天体発見や新事実解明がなされるだろう。また予期しなかった見事な天文現象と出会えることにも期待したい。街中でも、星座観察や流星・人工衛星観察等気軽に行える天体観察は多い。季節の星空や天文現象については、パレットおおさきプラネタリウム投映やホームページで随時紹介していきたい。

このページの先頭に戻る 

 

今年の主な天文現象  1月  2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月  9月  10月  11月  12月

1月 木星がふたご座で観測絶好期

12日 水星が東方最大離角、夕方の西天に見える頃
15日 水星と月齢2の細い月が接近
25日 未明、西日本で土星食
27日 早朝、北海道で木星食

2月  木星・土星が宵の空で見やすい頃

6日 明け方さそり座β星(2等)の星食(宮城県北部では接食掩蔽)
7日 今年最も大きな満月

3月  金星が宵の明星として夕方の低空に

18日 はくちょう座の変光星χ星が極大(約3等)の頃
20 日 宵の空、土星が月にかくされる
   (古川での潜入開始19:29.5 潜入終了19:30.7  出現開始20:16.8 出現終了20:17.9)
21日 春分の日

4月 夕方の西天に冬の1等星と惑星が集合

7日 18:41頃、北海道(?)の一部でふたご座の一等星ポルックスが小惑星パンドラにかくされる
14日 月と水・金・火・土・木星が集合(〜17日)
22日 こと座流星群がピーク

 

5月  夕方西天の惑星たちに注目

4日 水星が東方最大離角、夕方の西空に見える頃
6日 みずがめ座流星群がピークの頃
6日 立夏
10日 夕方の西空で、金星と火星が大接近
14日 月と水・火・金・土・木星が勢揃い
26日 宵の空で半影月食(肉眼では見づらい)

6月 全国で5年ぶりの部分日食

4日 夕方の西空で金星と木星が接近
11日 全国で部分日食(古川6:49〜8:50、最大食分41%)

13日 木星、月、金星が並ぶ
21日 夏至

 

7月   珍現象! 土星と星雲が大接近

7日 七夕(旧暦の七夕は8月15日)
13日 金星と三日月が接近
23日頃 くじら座の変光星ミラが極大(約3等)の頃
26日 土星とおうし座かに星雲(M1)が大接近
29日 みずがめ座δ流星群がピークの頃
31日 ウィルターネン彗星(57P)が小望遠鏡でみえる頃

 

8月  流れ星の多い季節

13 日 ペルセウス座流星群がピーク
14日 火星が地球と最遠(約4億km)
15日 旧暦の七夕
22日 宵の明星・金星が東方最大離角、夕方南西の空に見やすい頃

 

9月 中秋の名月は21日

1日 水星が東方最大離角、夕方の西天低く
1日 金星とおとめ座スピカが接近
5日 早朝木星・月がプレセペ星団に接近
15日 いて座σ星(2等星)の星食 (古川潜入18:07、出現19:30)

21日 中秋の名月
23日 秋分の日
26日 宵の明星・金星が最大光度(−4.7等)

10月  宵の明星・金星が見納めに

13日 水星が西方最大離角、明け方東空で火星と接近
18日 十三夜(後の月)
21日 今年最も小さい満月
22日 オリオン座流星群(満月で悪条件)
30 日 金星が内合。以後、明けの空へ

11月 アメリカでしし座流星雨?

3日 おうし座流星群南群のピークの頃
13日 おうし座流星群北群のピークの頃
18-19日 しし座流星群がピーク
 (満月直前で条件最悪。ハワイ・西アメリカで大
  出現の可能性あり)

12月 土星がみごろ(環も最も開いて見える頃)

4日 アフリカ南部〜オーストラリアで皆既日食
7日 夜明け前の東天で金星が最大光度、火星と接近
14日 ふたご座流星群がピーク
22日 冬至
26日 水星が西方最大離角、夕方西空に見える
30 日 白昼に火星が月にかくされる

  このページの先頭に戻る        →パレットおおさきプラネタリウム・天文情報    →パレットおおさきホームページ