星を見に行こう
初歩の天体観察
★ 第1回 『星座をさがそう』 ★ 第2回 『肉眼・双眼鏡で見る星空スポット』 ★ 第3回 『望遠鏡で彗星・星雲星団を見る』 ★ 第4回 『望遠鏡を操作しよう(太陽観測)』 ★ 第5回 『観察から観測へ』 |
パレットおおさきでは、昨年度から講座・「初歩の天体観測」を実施しております。 |
初歩の天体観察 bP |
星座をさがそう
【2000年8月10日公開・更新】
あなたは何星座生まれ?
(黄道12星座)星占いなどでよく耳にする“〜座”は、右の12個です。 あなたの星座は「なに座」ですか? さて、この12星座は黄道12星座または黄道12宮とも呼ばれます。「黄道」とは太陽の通り道のことで、人の運命が太陽の位置に左右されるという考えでつくられたのでしょう。 |
おひつじ | 3/21〜4/20 | てんびん | 9/24〜10/22 |
おうし | 4/21〜5/21 | さそり | 10/21〜11/22 | |
ふたご | 5/22〜6/21 | い て | 11/23〜12/22 | |
か に | 6/22〜7/23 | や ぎ | 12/23〜1/20 | |
し し | 7/24〜8/23 | みずがめ | 1/21〜2/20 | |
おとめ | 8/24〜9/23 | う お | 2/21〜3/20 |
誕生日の星座は、誕生日に見える?「明日は、月子さんの誕生日かぁ。プレゼント、何にしよう....」さんざん悩んだ星彦君、星をながめていてひらめきました。 「これだ、とびきりのプレゼント。5月22日の誕生日には、月子さんの誕生日の星座・おうし座を見せてあげよう。」 さて、当日は快晴。でも、この計画は大失敗に終わってしまいました。 なぜでしょう?? |
星座クイズにチャレンジ!
次の星座で、本当にあるものは? 1 ポカリスエット 2 ゲータレード 3 アクエリアス
次の星座で、本当にあるものは?(その2)
次の星座で、本当にあるのは?(その3) 1 ぎょう座 2 いざこ座 3 さんかく座次の星座で、本当はないのは?(その1) 1 くじゃく座 2 からす座 3 すずめ座 |
すべての星座の数は? 日本から見える星座の数は 一番大きな星座は 一番小さな星座は |
5000年前のメソポタミア地方 ・シュメール人、アッカド人、アムル人らが夜空の星を結び動物になぞらえる ↓ ・フェニキア商人を通して古代ギリシアに 語り継がれる
↓ |
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ギリシア神話とともに発展 ・ホメロス(BC9〜8世紀) 「イリアス」「オデュセィア」 ・ヘシオドス(BC8世紀) 天体や星座の記述 |
・アラトス(BC3世紀)「ファイノメア」(星座詩) ・プトレマイオス(BC2世紀) |
48星座(古代星座)が完成し、その後約1300年間そのまま受け継がれる。 アルゴ アンドロメダ
いて いるか うお うさぎ うしかい うみへび エリダヌス おうし ↓
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中世・近代 ・15〜16世紀 大航海時代、ヨーロッパ人が南半球の星座を“発見” ・16〜17世紀 天文学者たちが、新しい星座を考案(バイエル、バルチウス、ヘベリウス) ・19世紀 一時、120個の星座がつくられ、混乱する |
20世紀はじめ〜今日 ・1928年国際天文同盟(現国際天文学連合)による整理・統合で、今日の88星座、 星座境界線が確定。 |
こんなにあるある! 星座大集合
太文字は、見やすい星座です。ぜひ見つけてみて下さい。春の星座 | やまねこ座 かに座 しし座
こじし座 おおぐま座 こぐま座 うみへび座 ろくぶんぎ座 コップ座 からす座 りょうけん座 かみのけ座 うしかい座 おとめ座 |
らしんばん座 ポンプ座 ほ座 ケンタウルス座 | |
夏の星座 | かんむり座 ヘルクレス座 りゅう座 へび座 へびつかい座 てんびん座 さそり座 こと座 はくちょう座 こぎつね座 や座 いるか座 わし座 たて座 いて座 みなみのかんむり座 |
おおかみ座 | |
秋の星座 | こうま座 ペガスス座 とかげ座 ケフェウス座 カシオペア座 アンドロメダ座 やぎ座 みずがめ座 みなみのうお座 うお座 さんかく座 ペルセウス座 おひつじ座 くじら座 |
けんびきょう座 つる座 ちょうこくしつ座 ろ座 ほうおう座 | |
冬の星座 | おうし座 ぎょしゃ座 きりん座 エリダヌス座 オリオン座 うさぎ座 はと座 ふたご座 こいぬ座 いっかくじゅう座 おおいぬ座 |
ちょうこくぐ座 とも座 | |
南天 | とびうお座 りゅうこつ座 みなみじゅうじ座 はえ座 コンパス座 じょうぎ座 みなみのさんかく座 さいだん座 ぼうえんきょう座 くじゃく座 インディアン座 きょしちょう座 みずへび座 とけい座 レチクル座 かじき座 がか座 ふうちょう座 テーブルさん座 カメレオン座 はちぶんぎ座 |
*
下の段はの星座は南の地平線近くで全体がみえない星座。
*南天の星座は、日本からはみえないもの
春の星座
北斗七星からのびる「春の大曲線」を使うと、アークトウルスとスピカにあたります。そこが、うしかい座とおとめ座。この2星とデネボラでできる「春の大三角」からしし座がさがせます。その近辺には、小さな星座たちがたくさんあります。
夏の星座
夏の星座の目印は「夏の大三角」。おりひめ星(ベガ)とひこ星(アルタイル)が、夏の天の川の両岸で、デネブは天の川の真ん中で輝いています。天の川を南に下ると、大きなSの字のさそり座と、さそりの心臓アンタレスをねらういて座が向かい合っています。暗い空で、ぜひ天の川散歩をお楽しみ下さい。
秋の星座
秋の四辺形から秋の一つ星・フォーマルハウトをさがしましょう。この四辺形の各辺・対角線を使えば、みずがめ、うお、さんかく、おひつじ、ケフェウス、こうま....等々の星座をさがせるオールラウンドな目印になります。明るい星が少なく寂しい感じがしますが、見ごたえのある小天体がたくさんあります。
冬の星座
冬の星空は明るい星でいっぱい。ベテルギウス・シリウス・プロキオンで「冬の大三角」。カペラ・アルデバラン・リゲル・シリウス・プロキオン・ポルックスで、「冬のダイアモンド」が描けます。カシオペア座からいっかくじゅう座にかけての天の川の中には、たくさんの星団を観察できます。
南天の星座
南天の見所は、なんといっても南十字星。めずらしい動物や道具などの星座名が目をひきますね。カノープスやアケルナル、アルファケンタウリなどの輝星や、大小マゼラン、その他さそり座から続く見事な天の川など、見所がいっぱいです。
図の中の円は、大崎から見える南限界の線。
星をよく知っている人でも、初めて南半球で星空を見ると、どれが何の星なのか、わけがわからなくなってしまいます。
オリオンや双子座が逆立ちし、しし座はひっくり返って昇ってきます。北の空の見慣れた星座たちでさえ、このように異様な雰囲気でみえ、南の空を向くと迷子になってしまったような錯覚を覚えます。
星座をみるまえに
◇観察に適した場所を選ぶ
星を観察する際に,一番邪魔なのは街灯などのよけいな光です。また,屋根や電柱・山など,視界をさえぎるものも歓迎されません。最近,なかなか理想的な場所はみつかりませんが,できるだけ暗く,視界の開けた場所を探しておきましょう。
なお,安全には十分気をつけましょう。夜のことですから,小中学生のみなさんは、必ず家の人と一緒に見ることにしましょう。
◇目を暗闇に慣らす
人間の目の瞳は,暗闇に慣れる(暗順応)まで時間がかかります。完全な暗順応まで20分。逆に,明るさに慣れるのはそれほどかかりません。観察中は、まぶしい光を見ないようにしましょう。
◇観察7つ道具
☆星座早見版・星図星座を観察するときの必需品です。よく使い方を覚えておきましょう。さらに詳しい観察をするには,暗い星やさまざまな天体の位置が書かれた星図が必要です。
☆赤セロファン付き懐中電灯
まぶしい光は観察の邪魔ですから,赤く減光した懐中電灯を用意します。これと別に明るい懐中電灯も用意しておくと便利です。
☆記録ノート,HB・Bのえんぴつ
空は常に動いています。何が起こるかわかりません。流星などが見えたら,すぐに記録をとりましょう。夜露で紙が湿りますから,ビニールカバーもあると良いでしょう。
☆時計
星の位置は刻一刻と変化します。正確にあわせた時計を用意しておくと,大流星の出現などの時に,貴重な記録を残すことができます。
☆防寒具(夏は虫よけスプレーも)
夏でも明け方は冷え込むものです。また夜露は,予想以上に体力を消耗させます。温かい格好で観測しましょう。なお,帽子,手袋も是非用意したいものです。
☆双眼鏡
まずは,望遠鏡は必要ありません。 もしどうしても、というのなら,3
cm7倍ほどの軽くて持ちやすい双眼鏡にしましょう。そのほうが、小回りもきき、自分の見たいところを見ることができて、星空の楽しさをよりわかることができるからです。
☆星の暦
さあ星座をみよう!
◇北極星で北の方角を知る
今自分がどの星座を見ているかをはっきりさせるために,東西南北がどの方向かをしっかりとおさえておきましょう。
方位を知るための方法は,
・方位磁石を使う
・お昼の太陽の位置を調べる
・太陽の昇る方向や沈む方向から見当をつけ る,
などがあります。
一番確実な方法は,北極星を探すことです。北極星を探すには北斗七星やカシオペア座から探す方法が一番よく使われています。ぜひこの方法を身につけて下さい。
◇星座早見盤を上手に使う
日付と時刻の目盛を合わせるだけで,今見える星座の様子がわかる便利な道具で,星座観察の必需品です。実際の北の方向に向きを合わせて頭上にかざし,星のならびと比べながら見ます。
星座観察の必需品・星座早見盤
大きな書店で手に入れることができます。 |
@月日と時刻をあわせる。
(例:6月4日 午後9時) |
<しし座をみる場合> <はくちょう座をみる場合>
あとは、明るい星から、星の並びの特徴などを手がかりに、めあての星座をさがしていく。
注意:早見盤では、南の星座ほど形がゆがんで表現されます。
◇明るい星を目印に星と星を結んでいく
さあ、いよいよ星座さがしです。夜空を見上げて、知っている星座はありますか?星座さがしも慣れてくると、暗い星だけの見つけにくい星座も見たくなってきます。そんな星座であっても、「明るい星から」さがす、というのが基本です。
たとえば、春の星座で、「りょうけん座」というちょっと目立たない星座があります。星図や星座早見盤で、りょうけん座の場所を確認しましょう。西の空、北斗七星の近くにありますね。この星座を探すのには、まず、北斗七星をみつけることからはじめたほうがよさそうです。
さっそく、「星座早見盤を上手に使う」の要領で、北の方向に向きを合わせて頭上にかざし,図の星のならびと、実際の星を見比べます。
さて、これからが大切です。図をよくみて、りょうけん座の位置をしっかり確認します。確認のしかたは、こうです。
・北斗七星、ひしゃくの手で持つ部分の、あの星とあの星を使えば三角形が作れる。
・その星から、ひしゃくの手で持つ部分の並びと並行に、あの星とあの星の間隔だけ、ひしゃく の水のくむ部分の方向にいけば、ちょっと暗めの星がみつかって.....
と、いうことを頭の中でぶつぶつと唱えながら、実際の星と照らし合わせます。
cやd、eの星のところが北斗七星ですね。aとbの星がりょうけん座なのですが、この星を直接さがそうとしてはいけません。北斗七星のdとeをつかって、deaの三角形をつくります。
a
の星が見つかったら、それがりょうけん座のα星コルカロリです。そして、そこから、c・dと並行に、d・eと同じ間隔だけ、伸ばしてみます。暗い3〜4等星の星bがみつかります。あとはabをつなげれば、りょうけん座のできあがり!
<暗〜い星座・星のさがし方・まとめ>・直接探すのでなく、知っている星座や明るい星を使う。 ・明るい星を使って、三角形・四角形を作ったり、あの星とあの星を*倍結んで...、 という要領で、星の並びを「パターン化」しながら暗い星をさがし、それらを結ぶ。 |
知って得する星の豆知識
◇星の明るさ
昔の人は,明るい星を1等星,目で見える一番暗い星を6等星とし,その間を明るさの順に,2等星,3等星,4等星,5等星としました。現在では,
1.0等の1/100の明るさを6.0等と決めています。1等級違うと,明るさは約2.5倍違います。なかには,1等星より明るい星がありますが,そんなときは0等星,マイナス1等星,マイナス2等星・・・と呼んでいます。
シリウスは−
1.5等星,金星は−4等星,満月は−12等星,太陽はなんと−27等星となります。逆に,6等より暗い星は,7等星・・13等星・・・24等星・・・と数限りなく続きます。肉眼で見える一番くらい星は6等星といいましたが,それは非常に条件がいい空でのこと。最近は空が汚れ,見える星の数が本当に少なくなってしまいました。
◇星の名前
デネブ、ベガ、アルデバラン、プルケリマ、コル・カロリ、ラス・アルハゲ......これらは、「星の固有名」と呼ばれます。いうなれば、星の本名、とでもいいましょうか。これに対し、白鳥座α(アルファ)星など、ギリシア文字を使った「バイエル名」という名前もよく使われます。これは、星座の星を(原則として)明るい順に並べ、α・β・γ・δ
....とギリシア文字をふっていくものです。下に、その一覧を掲げます。1 α アルファ 2 β ベータ 3 γ ガンマ 4 δ デルタ 5 ε エプシロン 6 ζ ゼータ |
7 η
エータ 8 θ シータ 9 ι イオタ 10 κ カッパ 11 λ ラムダ 12 μ ミュー |
13 ν ニュー 14 ξ クシー 15 ο オミクロン 16 π パイ 17 ρ ロー 18 σ シグマ |
19 τ タウ 20 υ ユプシロン 21 φ パイ 22 χ カイ 23 ψ プシー 24 ω オメガ |
◇星の色 明るい星をよくみると、色の違いがあることに気づきます。星の表面の温度のちがいによって、色が違ってくるのです。 低い温度の星は赤っぽく、温度が高くなるとオレンジ色や黄色になり、もっと高くなると青い色になります。太陽の表面温度は約6000℃で、白色または淡い黄色に見えます。
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◇高度・角度の測り方
腕をいっぱいに伸ばした時の握りこぶしの大きさは、個人差もありますが、だいたい10°です。その他、指を使った角度の見積もり方もありますので、天体の位置や時間変化に応じて、使い分けて下さい。
角度あれこれ |
太陽・月の直径
・・・・・・・・・・・約0.5度 1時間の星の動き(天の赤道付近)・・・・約15度 ベテルギウス−リゲル間 ・・・・・・・・約18度 北斗七星の端から端まで ・・・・・・・・約30度 1ヶ月後の同時間の星の位置のズレ ・・・30度 大崎地方の北極星の高さ・・・・・・・・・約38度 ヒャクタケすい星の尾(最長時)・・・・・約90度 |
◇星空の中に、こんなにあるある素敵な天体たち!
星座観察にも慣れてくると、もっと詳しくもっと細かな天体を見たくなってきます。
今回は詳しく触れませんが、宇宙には、こんなにたくさんの種類の天体があります。
◇これからの天文現象
◇充実した天文情報源
<インターネット>
・国立天文台(http://www.nao.ac.jp/index_J.html)
・国立天文台・天文ニュース (http://www.nao.ac.jp/nao_news/)
・星と友達になろう(http://www.wnn.or.jp/wnn-u/)
・横浜こども科学館天文・宇宙ニュース(http://www.city.yokohama.jp/yhspot/ysc/ysc/ysc.html)
・アストロアーツ天文ニュース(http://www.astroarts.co.jp/index_j.html)
<月刊誌>
・「月刊天文」(地人書館)
・「天文ガイド」(誠文堂新光社)
<観測年表>
・「天文年鑑」(地人書館)